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児島(遺伝情報研究部門)が「引用栄誉賞」を受賞:ノーベル賞を占う世界的評価

児島将康名誉教授(遺伝情報研究部門)は,英科学情報会社クラリベイトが2025年9月25日に発表した「引用栄誉賞(Highly Cited Researchers)」に選出されました。引用栄誉賞は、論文の引用回数が極めて多い研究者を対象に、「ノーベル賞を占う指標」として国際的に注目されています。

児島名誉教授は、寒川賢治氏(元国立循環器病研究センター理事)とともに、1999年に食欲を増進させるホルモン「グレリン」を発見し、その機能を解明しました。この業績は糖尿病や肥満の研究に大きな影響を与えるとともに、がん悪液質の治療薬開発にもつながっています。

引用栄誉賞は近い将来のノーベル賞候補者として注目され、2002年以降毎年発表されています。1970年以降に「Web of Science」に掲載された6400万件以上の論文のうち、上位0.0176%に当たる2000回以上引用された論文の著者を対象に、研究への貢献度や注目領域かどうかといった定性的な要素も加味して、クラリベイト社の専任アナリストが選考しています。これまでに引用栄誉賞を受賞した研究者のうち、83人が実際にノーベル賞を受賞しています。

※ グレリンの発見に関する記事はこちら:

グレリンの発見から臨床応用まで:古き良き発見の時代に.Journal of Japanese Biochemical Society 95(1): 5-16 (2023)

グレリンの発見についての裏話.日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)130,14~18(2007)