山梨豪彦先生(鳥取大学)をお迎えし、第223回分子生命科学研究所セミナーを開催しました。
令和8年(2026年)10月26日(月)、山梨豪彦先生(鳥取大学医学部精神医学分野・准教授)にお越しいただき、第223回分子生命科学研究所セミナーを開催しました。
【 第223回分子生命科学研究所セミナー 概要 】
日時:令和8年(2026年)10月26日(月) 11:30〜12:30
会場:基礎3号館3階 315A室(ミーティングルームA)
<演者・演題>
山梨 豪彦 先生(鳥取大学医学部精神医学分野・准教授)
「ケトン体によるうつ病、PTSD、せん妄の治療開発」
※ 分子生命科学研究所セミナーは公開セミナーです。
本セミナーでは、絶食時などに体内で産生されるケトン体の一種、β-ヒドロキシ酪酸(BHB)に着目し、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)、せん妄に対する新たな治療法の開発について、最新の研究成果が紹介されました。BHBは、グルコースが不足した際に脳のエネルギー源として利用されるだけでなく、抗炎症作用や抗酸化作用を持つことが知られています。山梨先生は、こうしたBHBの作用に注目し、うつ病やPTSDに対する新たな治療物質としての可能性を研究されています。さらに、脳内炎症が病態に深く関与すると考えられているせん妄についても、BHBを利用した予防・治療法の開発を目指した研究を進められています。今回の講演を通じて、ケトン体がエネルギー源としての役割にとどまらず、精神・神経疾患の新たな治療につながる可能性を持つことが示され、代謝研究と精神医学の接点について理解を深めることができました。