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【受賞】矢田俊彦客員教授(遺伝情報研究部門)が日本肥満学会・日本肥満症治療学会学術集会のPresentation Awardを受賞しました。

2026年10月3日(土)~4日(日)にライトキューブ宇都宮(栃木県宇都宮市)で開催された第47回日本肥満学会・第44回日本肥満症治療学会学術集会において、矢田俊彦客員教授(遺伝情報研究部門)が一般演題のPresentation Awardを受賞しました。

受賞対象となった研究は、「高齢マウスの活動開始期の食欲増進は筋力・記憶を向上させる:人参養栄湯の抗フレイル効果」と題するものです。


加齢に伴う食欲の低下は、体重や筋力の減少だけでなく、認知機能や精神機能の低下にも関係し、高齢者の心身の衰えを示す「フレイル」の重要な要因となります。矢田客員教授らの研究グループは、食欲不振や疲労倦怠感などに用いられる漢方薬「人参養栄湯」に着目し、高齢マウスの摂食行動や身体・精神機能に及ぼす影響を調べました。

その結果、人参養栄湯を投与した高齢マウスでは、1日のうち活動を開始する時間帯に選択的に摂食量が増加することが明らかになりました。このとき、食欲を高めるホルモンであるグレリンが増加する一方、満腹感に関わるGLP-1が減少し、脳の視床下部では摂食を抑制するCRHの遺伝子発現が低下していました。これらの変化が、活動開始期における食欲の増進に関与すると考えられます。

さらに、人参養栄湯を3日間投与すると、高齢マウスで低下していた握力や記憶機能が改善し、不安様行動も軽減しました。一方、活動開始期に餌を取り除いた場合や、摂食量を対照群と同じ量に制限した場合には、これらの改善効果が認められなくなりました。このことから、人参養栄湯による身体・精神機能の改善には、活動開始期の摂食量の増加が重要な役割を果たしていることが示されました。

本研究は、高齢期における食欲の低下と身体・精神機能の衰えとの関係を明らかにするとともに、食欲を高める時間帯がフレイルの改善に重要である可能性を示す成果です。今後、加齢に伴う心身機能の低下を予防・改善する仕組みの理解につながることが期待されます。